【合理的配慮】テスト問題にもルビを振ることはズルい!?

学級経営

今の教育環境で1つ大きな問題として言われているものの中に,『通常の学級に発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒が6.5%いる』と言われていることがあります。そして,この人数は増加傾向にあり,子供たちの多様化が顕著に現れてきました。そして学校はその多様化した子供たちにあった教育をしていく必要があります。

そこでどこまで配慮すると良いのか,そして,とくに ”テストの問題にルビを振ることはズルいことなのか” を考えていきます。

合理的配慮とは

障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう

障害者の権利に関する条約

合理的配慮は,社会的障壁によって生まれた機会の不平等を正すためのものです。”〇〇しかできない” という環境を作ってしまうのではなく,多様な人が ”できる” 環境を作っていこうというイメージです。そして,この合理的配慮は責務となってくることは間違いありません。

例えば,発達障害の児童生徒には

  • 書籍やノートなどを用いた読み書きに困難があるときには、タブレットなどの補助具を用いることができるようにする
  • 感覚過敏があるときには、それを和らげるための対処(例えば聴覚過敏に耳栓使用)を行えるようにする
  • 作業手順や道具配置などにこだわりがあるときには、一定のものを決めておくようにする

などが挙げられると内閣府のHPに記載があります。

テスト問題にルビを振る

実際に作成したテスト(対象の生徒のみに配布)

中学校では定期テストがあります。多くの定期テストは学校の先生が独自に作成した問題を出すことが一般的だと思います。基本的には一律にテスト内容を作成し,印刷し,配布するといった流れでテストが行われるはずです。

あくまで作成したテストを全員に向けて配布するので,平等であるとも考えられます。しかし,漢字を文字として認識できない生徒がいたとします。その子にとっては ”漢字” という障壁のせいで問題を取り組むことができません。仮に問題を理解できる能力があっても,漢字を使用したことでその能力を発揮することができないまま終わってしまうのです。これでは平等とは言い切れないと思います。

国語の漢字の読みを答えるような問題では答えを伝えてしまうことになるので,ここは配慮できませんが,数学などの教科の問題文の漢字にルビを振り,読めるようにすることは問題を解く上では差が生まれませんから,全くもってズルでもありません。合理的配慮の一部であるのです。この認識を学校の中で広めていかなければいけません。

あるのすけ
あるのすけ

自分ができていることで,他人が困り感を持っていることというのは想像しにくいですよね…だからこそ,”配慮を認める” という考え方が広まっていくといいなと思います。

グレーゾーンな子を見捨てない配慮

合理的配慮が必要ということがわかっている児童生徒であれば,問題ありませんが,中にはグレーゾーンで,特別な支援があった方が良いとう児童生徒もいます。これらの児童生徒がのことを担任に一任していてはこのサポートに関してはうまくいきません。対応が多岐に渡り,1人では到底対応しきれないからです。小学校などで副担任などの先生がいない場合は大変ですが,もし配置できる先生がいるのであれば積極的な支援を行っていく必要があります。そして学年としてグレーゾーンである児童生徒をどうサポートしていくべきなのかをきめ細かく見ていく必要があります。

そういった指導を単に「できないから…」と諦めるというのではなく,どうしたらその子が活躍しやすい環境を作ることができるのかを考えていくことで,誰もが生活しやすい環境を作っていくことができます。これは保護者との信頼関係にもつながっていくはずです。1人でも学校をフォローしてくれる保護者を増やすことで,教員からしても働きやすい環境へと変わっていきます。

あるのすけ
あるのすけ

保護者同士での会話の中で批判ばかりでなく,「でもこの面ではいいよね〜」と一言出るか出ないかで学校への風当たりが変わってきますね!

まとめ

  • 合理的配慮について認めること
  • テストにルビを入れることは合理的配慮に該当
  • グレーゾーンな児童生徒を見捨てない配慮を心がける

これらのことは個人でどうのこうのできる問題ではありません。最低でも学年対応が必要になってくる問題です。合理的配慮についての認知を広げていけると良いです。そして,今からどういったものが合理的配慮なのか,自分の勤務校では合理的配慮ができているのかどうか再度確認していきたいですね。

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