学級の振り返りは個人と集団の両面の視点を持とう【Googleフォーム活用事例】

学級経営

学期末になると、学級でどのくらい頑張ることができたかまたどんな課題が残ったかを話し合う機会があると思います。そんな学級の振り返りを行う時に、どのような視点で振り返りをすると、学級の今後のために有効な活動になるのかを考えたいと思います。

そのために必要な視点は、”学級から見た学級の様子””個人から見た学級の様子”です。

あるのすけ
あるのすけ

この方法を用いることで、自分が見ている学級の様子と、他の児童生徒が見ている学級の様子を客観的に比較することができます。

そして、振り返りを行う方法はいくつかあります。挙手で発表させていく方法、視点を絞ってできたできていないを割合で出す方法などさまざまです。それぞれ一長一短があるとは思いますが、一貫した指導をしていきたいと考えたので、わたしは後者の方法を用いています。

あるのすけ
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全国学調もアンケートの項目は経年比較できるように統一されていますよね。これを参考に1年間統一した質問を通して、自分達の成長を分析できるようにしました。

学級から見た学級の様子という視点

「学級全体として、〇〇なことや、△△なことは頑張れているなぁ」

学級全体で頑張ってきていたことは、教員が言語化していかなければ、フワッとしたものとなり、児童生徒の中で成長によって変化したことの価値を見出すことは難しいように思います。しかし、いつまでも教師主導でこの活動を行なっていてもいけません。児童生徒自身が、自分達の学級を振り返ってみて、自分達ができていたことを言語化する活動をする必要があります。

学級という集団で取り組めていたことは、学級の雰囲気や集団としての高まりを見る視点となります。「学級として、〇〇ができていた」と学級の多くの児童生徒が感じているということは、その〇〇こそ今の学級の強みになるということです。〇〇については、ある程度学校生活の中で関わりがある項目をあらかじめ用意しておくことで、大きく論点がずれることを避けることもできます。

個人から見た学級の様子という視点

「わたしは学級の中で〇〇ができた」

学級の中でどのように活躍することができたのかを個人振り返りすることは、個の成長のためにも必要なことです。また、個の成長を集計し、分析することで学級という集団の成長にもつなげて考えることができます。

”学級から見た学級の様子という視点” と似ていると思うかもしれませんが、個の感覚と集団の感覚にはズレが生じることがあります。個人個人が自分が何か頑張ることができたと感じていても、学級全体で頑張ることができたと思っていた項目とズレが生じていた場合、どこかで認識のズレがあるのです。そこで初めて、自分達の生活について議論をするきっかけを得ることができるのです。

あるのすけ
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個も集団も同じような結果が出てこれば、多くの児童生徒の頑張れていたと感じている認知は一致しているということになります。逆に認知のズレがあるということは、特定の人だけ頑張っていたり、一部の児童生徒が先導しているだけでフォロワーがいないなど現状を分析することができるきっかけにすることができます。

活動の方法

使用するツール
  • Googleフォーム
  • Googleスプレッドシート

同じ質問を個人視点と集団視点で行う

同じ質問を個人視点、集団視点で行うことで、本人と集団とのズレを認知することができます。個人的にはできていたと思っていたことが、集団の視点ではできていなかったり、自分の思った結果よりもうまくやれていなかったりなど、さまざまな ”なぜ?” を自然と生み出すことができます。

これらの2つの視点の質問により、学級集団の特徴をみていくこともできます。個人に甘く、集団(他人)に対して厳しい評価をするなどです。この結果を分析したデータは、今後の学級経営に活用することができます。

あるのすけ
あるのすけ

どのように学級の話し合いの時発問すると良いのか、また進めていくと良いのか知るきっかけになります。

個人視点と集団視点の発問の主語を意識

個人と集団を明確に区別しながら答えていく必要があるため、主語を意識した質問を考える必要があります。特に個人のアンケートは、いま質問に答えているその児童1人1人が自分ごととして捉えることができるようにしなければなりません。

「あなたは〜」「自分は〜」「わたし(ぼく)は〜」これらの主語はおおよそ同じ意味合いですが、文章によってうまく使い分けることで、回答している児童に ”自分自身のことを聞いているのだな” と感じさせることができます。

あるのすけ
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集団も同様です。あなたを含めた学級全体の様子を聞く必要があります。主語をあなた自身の所属する学級の年組を入れるなど工夫することが、実態調査では必要になりますね。

アンケートは時期を空け、連続しないようにとる

連続すると、同じ質問をこの前行ったことを覚えています。そして、どのように自分が回答したのかも覚えていることもあります。したがって、なるべく短期間でアンケートを実施するものの、個人と集団としての視点のそれぞれの2つのアンケートの実施には、期間を空け実施することをお勧めします。

あるのすけ
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前回は、火曜日に個人のアンケートをとり、金曜日に集団のアンケートをとりました。金曜日に学活があったので、そこで話し合いをするために、少し前に個人の結果を取得しておきました。アンケート自体は10〜15分で終われるようにすると良いでしょう。

学級の振り返りは個人と集団の両面の視点を持とう【Googleフォーム活用事例】 まとめ

学級の振り返りは、視点がなければぼやっとした振り返りになりがちです。視点を明確にすれば、何について考えると良いかわかるので、議論ができます。その中で自分達の成果や課題などを見つめ直すきっかけともなります。振り返りが価値あるものにするためにも、視点を持つ指導をしていく必要があります。

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