【不登校編】保護者に寄り添うってどういうこと

学級経営

まず,教員が『学校にこればなんとかなる』と感じていることは間違いであることを認識しなければなりません。いやいや学校に登校させられたとしても,その日はなんとかなったとしても次の日,その次の日…と繰り返していくうちに,学校に行きたくないという気持ちが大きくなるだけでなく,毎日自分の保護者に急かされながら学校に行かなければならないという状況が嫌になってきます。

正直小学校くらいの年齢であればなんとかなっていたことでも,中学校へと進学し,心も体も大きくなってからでは,同じように学校へ登校させることができないようになってしまいます。

根本的に,その子が ”なぜ学校に行きたくないと感じているのか”というのをコミニュケーションをはかり,解決の方向性を示していくことが大切なのです。時間はかかりますが,早ければ早いほどその効果は早く現れてくると感じます。

あるのすけ
あるのすけ

中学校2年生で保護者に嫌々連れて登校させられていた生徒は,教員ともコミニュケーションを十分に取ることができなくなってしまい,中学校3年生の卒業まで来ることができませんでした…

責任を取らせるなどの考えではなく,その子がどうしたら登校できるのかを前向きに考える機会すらなかったのはもったいなかったです…

学校に行かせることが大変

不登校傾向のある子供のいる保護者は,どうしたら学校に行けるのかとても悩んでいます。送り迎えをしても車から下ろすのに一苦労したり家の玄関から出るためにたくさん声をかけたり,ときには強引に連れ出してしまったり, そういった無理な頑張りがあってこそ,学校に登校することができているだけであるのです。

あるのすけ
あるのすけ

車から強引に連れ出しているときの様子を実際に見ましたが,保護者の方はヘトヘトになっていました…大変そうでした…

理由は様々だと思いますが,多くの保護者はなんとか学校に行かせたいという気持ちがあります。保護者の思いと,その子の思いのギャップが大きければ大きいほど,お互いにストレスがかかります。短期的な視点ではなく,中長期的な視点でその子を支援していく姿勢を,学校側と保護者側で合意形成をしていくことが重要です。

多様な選択肢を用意

オンライン授業を活用

オンライン授業をいつもおこなっているのであれば活用すると良いでしょう。学級の様子を全く知らない状況でいきなり登校することはとても勇気がいる行動です。そして,そのような勇気は余程のことがない限り出てきません。

だからこそ,普段の学級の様子を少しでもイメージできるようにオンライン授業などを活用して,伝えていくことが大切です。学校の先生からの電話で状況を伝えるよりも,実際に自分の目で確認した方がたくさんの情報を得ることができ,児童生徒は安心できると考えます。このことを踏まえた上で,登校に向けて話をしていくと,「午前中の授業だけ行ってみようと思う」などとスモールステップの目標を立てやすくなりました。

あるのすけ
あるのすけ

正直常時オンライン授業は緊張します…常に保護者の目があると思って授業しなければならないので…慣れるまではなかなか大変でした。

ただ,子供と話すときには,お互い共通の環境をイメージできているので,登校支援面では非常に助かりました。

手紙でのやりとり

実際にわたしは,昨年度学級の1人の生徒と手紙のやりとりをしていました。対人恐怖症というその生徒とは1年間で数回しか顔を合わすことはありませんでしたが,『1年間ありがとうございました』の手紙を最後もらうことが出来ました。そして,保護者の方からも「無理に登校させなかったり,家庭訪問などもなかったおかげで安心して先生と関わることが出来ました。ありがとうございました。」と電話で連絡をいただきました。

家庭訪問も学校からの直接電話も場合によっては,その子や保護者にとって大きなプレッシャーになることを理解しなければなりません。年度の中で節目になる場所で今後の関わり方についての確認などをしておくことで,それぞれの子にあった関わりをすることができ,保護者の方も安心して生活することができます。

まとめ

保護者との関係づくりとして,学校の型に当てはめすぎないように,今までの成功に囚われすぎないようにしなければいけません。実際に目の前にいる児童生徒,そしてその保護者をしっかりと見て,適切な判断をしていかなければならないのです。

保護者に寄り添うとは簡単に言えますが,寄り添う行動はとても労力が必要です。また,その子にはよかった対応が,他の子にはよくない対応になることも多々あります。保護者も同様です。

まずは,積極的なコミニュケーションを図り,状況を学校で情報共有し,学校全体で対応を考え,対応していくことが必要です。

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