部活動を辞めたい生徒にどう声をかけますか?

教育問題

令和5年度から部活動は地域へと移行していく方向で進んでいきます。そのため,学校が主体となって部活動を実施していくという今までの部活動のあり方が,これから確実に変わっていきます。そのため,部活動をやりたい生徒はやり続け,部活動をやりたくない生徒は徐々に退部していく or やりたい部活動に転部するなど様々な動きが起こってくると予想されます。

もちろん,部活動は生徒が主体的に取り組む活動なので,生徒にあれこれ指導することはありませんが,学校側の指導が甘い場合で,かつ少し荒れている学校な場合,自由になった部活動をきっかけに様々な問題が起こってしまう可能性があります。そうならないためにも,部活動を辞める選択をする生徒や辞めて違う部活動を始めようとする生徒へ,丁寧な声かけが必要になってきます。

そこで今回は,部活動を辞めたいという生徒がいた際に,教員としてどのような視点を持ち,その生徒と関わると良いかをまとめていきます。

部活動の位置付け

平成29年度版学習指導要領には,部活動に関して以下のように記述があります。

そもそも,”部活動は教育課程外であり,生徒が自主的・自発的な参加によって行われるという前提があります。従って,生徒が辞めたいと言った場合,それを拒否することはできないのです。教員の方はまずここは受け入れなければなりません。

あるのすけ
あるのすけ

もちろん,生徒指導上…など様々なことはありますが,部活動自体の位置付けを受け入れず,感情論で話す人は,教員としても大人としても子供たちは信用しません…

辞めること自体は自由

部活動の位置付けでも書いた通り,部活動自体は生徒の自主的・自発的な参加によって行われているものです。したがって,その生徒が「辞めたい」と明確な意志を持っているのであれば,その意見を尊重しなければなりません。まるで,”辞めること=悪” であるかのような指導は決してしてはならないのです。

あるのすけ
あるのすけ

残された部員のことなど様々なことを考えると,残って欲しいという気持ちを強く伝えてしまう心境はわからなくないですが…

教師として持つべき視点

生徒同士の人間関係について

荒れている学校では生徒同士の人間関係がぐちゃぐちゃになっている場合が多いです。さらに,親も含めて。部活を辞める場合は特に考慮しなくても良いですが,転部する際には,転部先の人間関係がどうなるかまで見通さなければなりません。転部先でまた人間関係が崩れ,再度転部なんてこともあり得ますからね…

部活は本来自由参加である

このスタンスは生徒を安心させます。「部活動を辞めるにも,顧問の先生が怖くて話せない」など顧問の先生に対して,少なからず恐怖感を抱いている生徒はいるようです。「辞めさせてもらえないのではないか」,「怒られるのではないか」など思ってしまうと,なかなか本音で話してくれなくなり,その生徒も精神的に辛くなってきます。(そして部活をサボってしまい,怒られるという負の連鎖が…)

辞める話など,部活への不安感を打ち明けてきた時点で,生徒は勇気を振り絞っているはずです。まずはその思いを受け止めてあげましょう。そして,「本来は自由参加であるべきものなんだよ」と,部活動のあり方や,先生としての考えをわかりやすく伝えてあげることで,その後安心して生徒も話せると思います。コミュニケーションが取れれば,根本的に何に悩んでいるのかわかりますから,そこを一緒に解決しようとしてあげる姿を示してあげることが本来あるべき姿です。

部活を辞めた後について

部活動を辞めることに関しては,何も問題はありませんが,その後の生徒の生活の仕方で残った部員に迷惑をかけないようにすることは最低限指導しなければなりません。

それは,『部活を辞めた後に,愚痴や不満を言わない』ということです。その生徒は何かの原因で,嫌で辞めるかもしれませんが,一生懸命やりたいという生徒もいることは忘れてはなりません。一生懸命やっている生徒にとても失礼なことにあたることは理解させなければなりません。自分が一生懸命やっていることを,辞めていった人にあれやこれや言われたくありませんよね。その確認はきちんとしておくと,いらない指導を増やさずに済みます。

まとめ

部活を辞める生徒と話すときに持つべき視点

・生徒同士の人間関係について
・部活動は本来自由参加であること
・部活を辞めた後について

では!

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