中学校の時期は思春期で精神的に不安定なことが多いです。そんな時におこるのが不登校です。
令和元年度の文部科学省の不登校に関する調査結果です。中学生が圧倒的に多く、平成29年度から上昇傾向にあることがみてわかります。あなたの身の回りにも不登校の生徒はいると思います。そんな不登校の生徒への関わり方を考えていきましょう。
不登校の原因
【学校に係ること】
・学校内の人間関係(いじめ、その他の人間関係の問題)
・学業不振、進路に対する不安
・学校のルールに対する問題
・各種行事への不適応(入学や進級のとき)
【家庭に係ること】
・生活環境の変化
・親子の問題
・家庭内の不和
【本人に係ること】
・生活リズムの乱れやあそび、非行
・無気力、不安
令和元年度の調査結果ですが、不登校になる原因として多いのは、
⒈ 無気力、不安(41.1%)
⒉ 親との関わり方(16.7%)
⒊ 学校内での人間関係(10.2%)
⒋ 生活リズムの乱れやあそび、非行(10.3%)
⒈の無気力や不安というのはなんとなく原因がはっきりしないということも含まれているのでしょう。圧倒的に多い問題です。その次には家庭内に係る問題でした。全体の約16%を占めるということは6人に1人はこの問題を抱えていることになります。
不登校児童生徒への接し方
原因がわからないとき
『無理に原因を聞きださない』ことを徹底しましょう。あなたが、話したくないことを話そうと思う時はどんなときですか?無理矢理聞き出そうとしてくる人に、わざわざ話そうなんてよっぽど信頼関係ができていないと難しいですよね。まずは、子供の「学校にいきたくない」という思いに寄り添ってあげましょう。短期的に見るのではなく、長期的な視点でその子を見守っていきましょう。結果として、それが一番近道になります。
原因がわかった後にすること
原因がわかると、それ以外のことはできるだろうと思ってしまい、「勉強しなさい」などとついつい言ってしまいます。また、その原因を解決させようとするような言動をしたりしてしまうこともあります。そう言った関わりを続けていると、「焦らされている」と感じたり、「不登校が悪いこと」と感じたりしてしまう子もいます。すると、人間関係の悪化につながり、さらに不登校が続いてしまうことが懸念されます。
原因がわかった後にも、焦らせず、じっくり子供から「〇〇したい」と言えるようになる手立てをうっていきましょう。”子供のタイミングで子供から” ということが大切です。
困った時にはきちんと相談しよう
学校でももちろんいいですが、我々教員ですら不登校の児童生徒との関わり方を全て理解しているとは言えません。だからこそ、まずは専門機関への連絡が必須です。もちろん学校側も欠席が続いていると、家庭への連絡をしなくてはなりませんので、学校との連携はすぐにできますし、学校側は学校側で必要なアプローチはかけます。しかし、もっともその子の近くにいる存在である、保護者の方が専門機関からの情報をきちんと得て、正しくその子へかかわっていくほうが、学校からの二次情報とならず、正しい情報を得ることができます。そのためには関係機関に連絡してみることです。
相談先
学校や学校のSC・SSW
学校にはSC(スクールカウンセラー)やSSW(スクールソーシャルワーカー)がいます。まずは学校と連携して取り組んでいきたいということであれば、このSCやSSWを活用しましょう。まずは、簡単に話を聞いてもらうくらいや、とりあえず誰かと話してみる環境をつくってみる程度でいいのです。初めから、「しっかり相談しないといけないのかな…」とか考えずに、気楽に利用してみましょう。もし、その人と合わなければ、次からは別の方法を試せば良いのです。
専門機関
・一般社団法人不登校支援センター
・子供のSOSの相談窓口 (文部科学省)
・子どもの人権110番 (法務局)
・児童相談所
・ひきこもり地域支援センター (厚生労働省)
最後に
不登校になってしまったときに、どうその子にかかわっていくかでその子のこれからの人生が大きく変化します。焦ったり、不安になる気持ちは十分わかりますが、その子を信じ、その子のタイミングで一歩を踏み出せる機会を我々大人がつくっていく必要があります。そして、一緒になって考えていこうとする姿勢を大切に長期的な視点で見ていくことを大切にしていきましょう。その思いにきっと子供も応えようとしていると信じて。
では!
コメント