問題行動の生徒指導をチャンスに変えるために

学級経営

生徒指導を行う場面は日常生活の中で多くあります。その生徒指導で児童生徒をよりよい方向へと目を向けさせることもできます。今回は、数ある生徒指導の中の “問題行動に対しての生徒指導”です。対応を間違えてしまうとどんどん悪い方向へ行ってしまいます。しかし、この指導をきっかけに人間として大きく成長できたと生徒に実感させることができるチャンスにもなり得ます。そんな “問題行動に対しての生徒指導” についてどう対応していくことが大切であるのかをまとめます。

あるのすけ
あるのすけ

わたしの勤務校はいわゆる”教育困難校”です。問題行動への対応は骨が折れますが、生徒を伸ばすチャンスになるとマインドを変えてみよう!

生徒指導の基本「さしすせそ」

さ:最悪の事態を想定して
し:慎重に
す:速やかに
せ:誠実に
そ:組織で対応

『最悪の事態を想定して、慎重に、速やかに、誠実に、組織で対応』

問題行動の指導の場合、生徒指導の「さしすせそ」はしっかりと意識していくべきです。最悪の事態を想定していなければ、初動が遅くなります。事情の聞き取りが甘くなってしまいます。

あるのすけ
あるのすけ

被害者と訴えていた生徒が実は加害者であったこともありますからね…

生徒から聞き取った情報は常に共有する必要があります。生徒指導はどれだけ情報を持っているかで指導の質が変わります。担任だけでなく、学年主任、生徒指導主事・教頭や校長などの管理職、主幹教諭など多くの人に情報をいち早く伝え、そして解決に向けて全員で確認をしていく必要があります。組織で対応していくためには、同じ聞き取った内容を共有しておかなければ指導ができません。また指導にズレが生じてしまいます。そうなると、同じ生徒に何度も聞き取りを行い、その日中に指導ができなくなってしまいます。

初期対応に緊張感を持つ

初期対応でしくじってしまうと大きな問題に発展しかねません。本人からの何か訴えがあった時にどのように教師として対応していくかが重要です。生徒からの直接訴えがある場合は、かなり大事になってからのことが多いです。「今忙しいからまた後で…」は相応しい初期対応ではありません。少しでも事情を聞き、緊急性があるかどうかを判断して対応にあたる・あたらないを判断する必要があります。このたった数秒の確認をしておくことで、生徒からの訴えの緊急度を知れるのですから。

事実に基づいた指導の徹底

憶測や感情で指導してはなりません。事実以外の指導をしてしまうことは、ある種の”人格否定”にもつながりかねません。今回発覚した事案の事実とは何か、そしてその事実の何がダメであったのかを明確にし、事実に基づいた丁寧な指導をしていくことが大切です。毅然とした指導を行うとは、事実に基づいた指導を指します。

生徒に寄り添う指導

指導の際には、生徒の身になって対応していくことが大切です。生徒に寄り添うことで、指導が入っていきます。正論だけで通用しないこともあります。ダメなことはダメというのは大事なことですが、正論を振りかざしても、その子の特性によっては逆効果になることを考えなければなりません。そっぽを向くようになったり、適当にうなずいたり、心に壁ができてしまうと指導が入っていきません。これだけは避けなければなりません。重大な事案なほど、焦らず個に応じた指導が求められるのです。

指導&保護者連絡を1日で完結させる

指導はとにかくスピード感が大切です。理想は朝一から始め、今回の事案の関係者に聞き取りを行い、昼までに聞き取った内容をつきあわせ、事実を確認します。そして放課後までに当事者などと話し合いの場を設け、解決させます。そして、生徒が家に帰る前までに保護者に電話を行い、聞き取った内容から事実であることを伝えます。生徒が家に帰る前に電話で伝えるのは、生徒が保護者に自分のいいように事実を変えて伝えてしまうことを避けるためです。

あるのすけ
あるのすけ

過去に一度だけ、どうしても保護者の電話に繋がらなく、連絡が遅くなったことがあります。
その時に保護者から「そんなことうちの子は言ってなかったけど💢」とクレームが入ったこともありました…最悪でしたね…

保護者情報を把握

問題行動に関わっていた生徒の保護者へ連絡をする前に、保護者に関する情報を把握しておく必要があります。場合によっては、保護者対応に非常に労力が必要となる場合があります。「わたしの子供がそんなことしないはずです」「学校ではどんな指導をしているのですか」とキレられることも実際あります。どんな保護者なのか学校として把握し、どう指導していくことが最善なのか、保護者へも個に応じた対応が求められます。大変ですが…

指導後の確実な見届け

今回の事案の指導をして、次からどのようなことを頑張らせるのか、どう価値付けていくのかを生徒と一緒に考える必要があります。これは、加害者だけでなく被害者も同様です。すぐに切り替えるなんてことはできませんが、今後はどのように人と関わっていきたいのかなど指導の方向性を確立させておかなければ、点で終わる指導となってしまいます。それでは、この指導をチャンスに生かすことはできません。学年としてその生徒への継続的な指導、そして見届けが必要です。そこで手を抜くと同じ問題を起こし、生徒は成長することはできない場合もあります。

あるのすけ
あるのすけ

見届けを行うと簡単に言いますが、結構労力が必要となります。学年で協力して対応していき、1人の先生に任せきりにしていると、今後組織として機能しなくなりますよ…

“問題行動に対しての生徒指導” は正直大変です。しかし、生徒が今の自分のままだとダメだということに気がつけば大きな変容が見られます。生徒指導の時間を、生徒のあるべき方向性を示す重要な時間にできるといいですね。

では!!

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