”黄金の3日間” というキーワードは聞いたことがあるでしょうか?
教師にとってはとても重要な日であるため,そして児童生徒にとっても大切な日であるからこそ,そのような呼ばれ方をしています。例えば,始業式の時は新しい環境になるため,例え進級であったとしても緊張感がある雰囲気が生まれます。その雰囲気の中だからこそ,できている活動が生まれるはずです。自分から積極的に動く姿や,組織が決まっていないのでボランティア活動に積極的に取り組んでくれる児童生徒などです。この期間にそういった姿を価値づけ,学級として目指すべき方向性を決めていくことが,1年間の学級経営がうまくいくかいかないかを分けるとも言われるほど重要な期間なのです。
今回は,そんな ”黄金の3日間” の過ごし方で大切にしたいポイントををまとめました。
黄金の3日間は今後の学級経営上最も大切
黄金の3日間は,生徒にとって初めての環境がどんな環境なのかを認知する期間です。特に初めて出会う先生の場合,生徒は「この先生どんな先生なのかな」と感じるはずです。そこで学級の頑張っている仲間のよさを見つけ,たくさん紹介して良さを広めてくれるような先生と,気になることを言い注意ばかりしている先生とでは第1印象が違うのは明白です。第1印象が大切なのは社会でも同様ですから,第1印象にこだわっていくことで,今後の関係性も築きやすくなると言うことです。
その第1印象1つで学級経営がうまくいくいかないが決まることもありますから緊張します…
良い姿を積極的に広める3日間
基本的には全ての児童生徒のよさを見つけ,広めるということに徹します。できないことに対して注意をするのではなく,とにかく認め続け,児童生徒をどんどん動かしていく。そしてその姿をまた認める。この繰り返しをしていくことで,「この学級には認められる環境がある」と潜在的にも感じることができます。そういった認められると感じている環境があれば,頑張ろうとする児童生徒は必ず出てきます。マズローの欲求階級からも承認欲求が満たされなければ,自己実現欲求が満たされることはありません。自己実現欲求は自分に対する可能性や自分の使命の達成を目指す欲求になります。自分の可能性を信じ,より良くしていこうとするためには,まずは承認欲求が満たされなければならないのです。ですので,まずは黄金の3日間では丁寧に良い姿を広めることを意識していくことが大切なのです。
多様な手段を用いて伝える
個人的にその場ですぐに伝える
基本的に即時フィードバックできるこの方法は有効です。仕事でもOJTがあるくらいですから,児童生徒が行ったことに対してすぐ認める反応を教師がすることで,すぐに児童生徒が認められたと感じることができます。
朝の会や終わりの会の時などの先生の話
朝の会や終わりの会(SHR)などで ”先生の話” があるところが多いのではないでしょうか。ここでは事務的な連絡はもちろんのこと,日々の生活の指導を行ったりもします。そんな ”先生の話” の中で仲間の頑張っていた姿を全員に紹介したり,その時の想いまでも紹介することで,紹介された児童生徒の自己有用感を育むことができます。さらに「認めらられている姿」を全体の中で取り上げることで,より学級の目指すべき方向性を確認することができます。
その子の姿を認めることができるだけでなく,学級への指導も兼ねていて一石二鳥です!
学級通信
4月は保護者にとってもどんな学級担任なのか気になります。そして,そのことを自分の子供に聞く時期でもあります。その時期である4月,特に黄金の3日間という,味見期間とも言える期間にきちんとある程度美味しいと感じてもらえるかどうかは大切です。保護者は自分の子供の言うことを基本的には信じますから,子供がどのように学校のことを伝えているのかが保護者との信頼関係を築く上で鍵になってきます。しかし,子供の話だけでは見えてこない部分もあります。その点を補完するものが ”学級通信” です。学級通信を使って日々の学校生活の中で子供たちがどのように頑張っているのかをきちんと伝えていくことで保護者は「子供たちのことをきちんとみてくれる先生」と思うはずです。
まとめ
黄金の3日間は教師にとってとても大事で,重要な日です。1年間の学級経営にも大きく関わってくるこの日に全力を注ぎ,学級経営の基盤づくりをしていくことで,1年間よりよい学級へとなっていくはずです。
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