教師として子どもと接する時に大切なのは ”いかに褒めるか・認めるかということ” です。どんな子にもよさはあり,小さなよさも価値づけ,方向づけていくことで少しずつ子どもたちを成長させていくことができます。
わたし自身,初任者の時,生徒の褒め方・認め方で大変苦労しました。他の先生はあたり前に生徒を褒めているけれど,自分は何をどう褒めていいか分かりませんでした。
今回はそんな褒めること。認めることが苦手な人,どう子どもを認め,伸ばしていくと良いか知りたい人のために,ポイントを5つにまとめました。
褒めよう褒めようと考えるのではなく,児童生徒のありのままをにとめていくことが大切です。そのためのポイントです。これをおさえて,褒め上手・認め上手になろう!
5つのポイント
⒈ 子供が ”やったこと” をそのまま褒める・認める
⒉ 子供の工夫したことや努力したことを褒める・認める
⒊ 子供の思いをそのまま受け止める
⒋ I メッセージを添えて褒める・認める
⒌ 意図的なタイミングで伝える
子供がやったことをそのまま褒める・認める
- 掃除一生懸命取り組めたね!
- 宿題しっかりやってこれたね!
まずは,何を褒めるといいか・認めるといいか迷うのであれば,子供の頑張ったことをそのまま褒める・認めることをしましょう。その子の承認欲求がしっかりと満たされるようになると,その子が「頑張って認めてくれる人がいる」と感じてくれます。どんな小さなことでも,まずはそのままを認め,認められる環境があることを子供が感じられるかどうかが大切です。
子供の工夫したことや努力したことを褒める・認める
- 難しかったけどあきらめずに取り組めたね!
- 掃除の時に雑巾の拭き方を工夫して拭くことができたね!
子供の頑張りには,きっと子供なりの頑張りや工夫があるはずです。または,その子は気がついていないけれど,その姿に価値があることを伝えたい時などには,工夫したと感じたことや努力したと感じたことを伝えましょう。ただ「頑張ったね」よりも具体的に褒められることで,より自己肯定感を高めることができます。
子供の思いをそのまま受け止める
(先生)どんな思いで取り組んでくれたの?
( 子 )みんながなかなかやろうとしなかったけど,〇〇さん困っていたから助けたかったの
(先生)そうか,〇〇さんが困っていたから助けたかったんだね!
子供が話した思いなどはそのまま繰り返すことが,子供にとって自分の思いが『受け止められた』と感じます。ついつい大人は子供が発した言葉の先を話してしまいがちですが,きちんと話したことを受け止めてあげることが必要です。受け止めてもらえると感じなくなってしまうと,自分の思いを話せなかったり,心が満たされないと感じてしまう子に育っていく可能性があります。
”おうむ返し” は子供を認める時に効果的で,わたしもよく使います!
Iメッセージを添えて認める
ありがとう! → 先生うれしいよ!ありがとう!
I (アイ)のメッセージを添えるだけで,話した人がどう感じたのか知ることができ,子供は安心します。その時,わたしがどう感じたのかをきちんと伝えるということは,なかなかできません。ついつい,「ありがとう!」の一言で終わらせてしまいますが,そこには「助かった」や「うれしい」などの感情も隠れています。その隠れていることを大人では読み取ることができるかも知れませんが,まだまだ子供には難しいのです。しっかりとIのメッセージを添えてあげることによって,子供はより褒められて・認められて嬉しいと思うのです。
これは大人社会でも同様のことが言えますね。「なんでしっかり確認してくれないの!?」というより,「私は安心できるんだよ。丁寧な確認がされている方が。」という方が相手への伝わり方が違いますよね。
意図的なタイミングで伝える
認めるタイミングを意図的に行うことで,認めるということの価値を最大化できます。具体的には,その認める価値を ”個” だけにかえしたいのか,それとも ”集団” にかえしたいのかということです。”個” にかえしたい場合であれば,今すぐに認める方がよいです。その子にとって即フィードバックを得ることができるからです。”集団” にかえしたいのであれば,学級全員が落ち着いて話を聞く場面などで丁寧に価値づけを行うと効果的です。もちろん,上記4つのポイントのいくつかをおさえながらです。
認めるということは,口頭で伝えた方が効果的なことが多いです。口頭だと表情,声のトーン,身振りなども使って伝えることができるからです。
まとめ
⒈ 子供が ”やったこと” をそのまま褒める・認める
⒉ 子供の工夫したことや努力したことを褒める・認める
⒊ 子供の思いをそのまま受け止める
⒋ I メッセージを添えて褒める・認める
⒌ 意図的なタイミングで伝える
以上が子供を褒める・認める時に大切なポイントです。これをきちんとおさえておけば,どうやって褒めていいのか…や,認めたらいいのか…という問題はなくなるはずです。ぜひ,実践してみて,子供の変化を確かめてみましょう!
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