PTAとは
日本におけるPTA(ピーティーエー、英語: Parent-Teacher Association)は、各学校で組織された保護者と教職員(児童を含まない)による社会教育関係団体。
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そもそもPTAは戦後,アメリカの ”父母と教師の会” をモデルとしてつくられたと言われています。そして,PTAの目的とは,『子どもたちの健やかな成長のために、親と教師が協力し合い,そして連携を図りながら,お互いに学びあう場』として機能させることです。つまり,学校組織とも異なる性質を持ち,さらに保護者会とも異なる性質を持つような,完全に独立した組織であるということを理解する必要があります。
学校組織ではないので,教員がPTAに参加することは任意ですし,また保護者も同様です。PTAはそれぞれの集団に属するわけではありませんが,相互に関連しあって,児童生徒を取り巻く環境をより良い方向へ向かうことができるように支援するような立ち位置である団体です。
PTAの不当な活動
入会の手続きがないことについて
4月の入学式のときに,入学式後にPTA総会などが実施されることがあります。その際に,よくわからず参加してしまい,会計報告やパンフレットなどを受け取り,勝手にPTA会員になっているということがあります。本来であれば,加入に関する調査をした後に,実施しなければならないことであるのにもかかわらず,半自動的に加入させられている状況があるのは悪質です。ただし,このことに関しては学校の所掌ではないので,学校に文句を言っても変わりません。現PTA会長や役員の人に直接いうしかありませんが,なかなか勇気が入りますよね。
仮に,本意ではなく,活動に関して何も知らない状況(強制的であるのにもかかわらず仕方ないと受け入れたなど)であったならば,返還請求を行うことができます。そして,不当利得の返還請求にあたって,権利の消滅時効は10年間と決まっています。つまり,今まで不当に徴収させられていたことが明らかにすることができれば,過去10年間に遡って納めさせられた額を返還してもらえるのです。
個人情報が漏れていることについて
本来PTAという団体は,学校とは独立した組織であるので,PTAに学校の名簿が使用されるということはあってはなりません。まして,学校の職員が他の公的機関でないところと個人情報のやりとりがあるのは大問題です。さらに,学校側にもPTA会員の数や,PTAに加入しているかどうかの名簿があることが散見されますが,こちらも問題です。改正個人情報保護法(令和4年4月より施行)によって,裁かれる可能性が高い事案です。
会費で学校の備品を購入していることについて
PTA会費で学校の備品を購入しているということもたまに耳にします。寄贈や寄付という名目で学校の設備を購入してはいないでしょうか。
まず,『学校設置者が学校経費を負担する』と学校教育法で定められ,まずい事案です。
また,『本来公費で負担すべきお金を私費(保護者負担金)やPTA会費で負担することは違反』と地方財政法で定めら,こちらからみてもまずい事案です。
会計報告などをみてみると,「ほんとにこれはOKなの?」というものが出てくると思います。
役員の強制について
保護者の方でPTAの加入で最も問題となってくるのは,役員の問題ではないでしょうか。平日の夜に役員会が行われたり,校外での活動のために土日の夜などに活動したりと,昨今の働き方は共働きが当たり前となってきている中,活動が難しくなってきているのではないでしょうか。
そもそも「役員はやらなければならないのか?」と聞かれれば,それは完全にNOです。仮に会員であっても活動の自由を保障しているとは言えません。そして,その自由を強要することは立派な ”強要罪” に該当する可能性があります。ですので,断ることができないということは本来あってはならないのです。
PTAの入会・脱退は自由
憲法から考える
PTA会員になるかどうかの了承を得られないまま,勝手に会員にされ,会費を強制的に納めさせられているということは憲法的にアウトである可能性が高いです。なぜなら,任意の団体に強制的に参加させられ,会費を支払わせるため,日本国憲法第21条『結社の自由』を犯していることになるからです。
憲法で保障されていることが保障されないわけないのです。
裁判結果から考える
PTAに関わる裁判である ”熊本PTA裁判” が2014年に行われ,2017年に和解されたということがありました。この裁判は保護者がPTAに対して裁判を起こしたという例です。
原告は被告PTAに対して、同意書や契約書なしに強制加入させられたうえ退会届が受理されなかったことを訴え、会費などの損害賠償を求めた。2016年2月25日、熊本地方裁判所は原告の訴えを棄却されたため、控訴した。2017年2月10日、福岡高等裁判所にて和解が成立した。
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この裁判で和解するにあたって,条件がありました。
⑴ PTAが入退会自由な任意団体であることの周知
⑵ 保護者が⑴を知らないまま入会させたりしないこと
これらの条件のもと和解が成立したということなので,これらの条件は他の地域でもPTAの活動にあたっては必要な周知であるということです。そして,このことからもPTAが入退会自由であることは明確に示されました。再び入りたい場合でも,問題なく入れるのです。
PTAに加入しなくても児童生徒の扱いは変わらない
PTA活動として学校施設などを会員限定サービスのように貸し出すことは,場合によっては学校教育法に抵触する可能性もあります。もし,開催したい場合などは全教員・全保護者が参加資格を得ることとなります。したがって,PTA会員・非会員の差はありません。また,PTA会員でない児童生徒にのみ,PTAからの寄贈などが行き渡らないというのも,本来任意団体であるはずのPTAをさも入っていないといけないということを助長することになり得るので,やはり全児童生徒に配布されるのです。
結局のところ,PTAに入っていようと入っていなかろうと,特に格差が生まれたり,不都合なことが起きたりということはありませんので,ご安心ください。もちろん,学校側から何か不都合なこともいうことはありませんので。(むしろあったら大問題!)
まとめ
以上,PTAについてもう悩まないということについてでした。
ということが挙げられます。しかし,本来PTAの立ち位置としては,
ということです。
もちろん,周りの同調圧力に負けてしまい,入会を仕方なくしてしまう場合もあるでしょう。それでも構わないのであれば,良いですが,その場合は返還請求はできないことがありますので,きちんと自分で決意し,判断していくことが大切です。
では!
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