教員から提案する家庭教育のあり方〜子供の話を聞き・受け入れる指導を徹底する〜

教育問題

教育というのは,教育基本法にも示されているように,

これは教員として学校で勤務していると痛感します。学校でどのように指導しても家庭環境次第で同じことを繰り返してしまうということや,指導した内容の価値観が伝わらなかったり,理解されないなどといったことが起こってしまうのです。もちろん逆(学校できちんと指導できていない場合)も同様です。そのような状況では当然,相互の連携及び協力に努めることはできません。

子供にとって一番長い時間を過ごし,子供の意思決定に大きな影響を与える家庭教育だからこそ,家庭教育のあり方を考えることはとても重要なのです。

あるのすけ
あるのすけ

責任転嫁しているというわけではありませんが,中学生くらいになると,家庭環境で大きな差が生まれてしまっていることは明らかです。そして,指導の前に確認するのは家庭環境です。つまり,その家庭環境が指導の背景にくるほど,家庭環境というのは重要だということです。

子供の話をしっかり聞く

子供の話をしっかり聞けていますか?

世界22ヵ国で愛読されている『子どもが育つ魔法の言葉』の著者,ドロシー・ロー・ノルト氏は,「子は親の鏡。」「毎日の生活での親の姿が,子どもに最も影響力をもつ。」といっています。

大人のわたしたちも,自分が何かを伝えたい時,相手がしっかりと聞いてくれると嬉しいと感じます。当然子供たちもしっかりと聞いてもらえることで嬉しく感じ,安心感を抱きます。ながらスマホなどをしていると,「わたしの話よりスマホが大事なんだ…」と潜在的に感じてしまうようです。まずは,子供が話していることをきちんと受け止める姿勢ができていなければ,子供は大人に自分の思いなどを示してきません。そして,話の聞き方を知らない子供は相手の話を聞くこともできません。学校での人間関係のトラブルが多い子は ”話が聞けない” 子であることが多いです。学校という集団生活の中で多くの人とコミュニケーションを取らなければならない時,”話を聞く” ことができないと,自己中心的で周りの様子を適切に伺うこと(忖度という意味ではありません)ができなくなったり,自分が成長していくきっかけを失ってしまいます。

学校では聞く・話す時間を区別し,意図的に話を聞く環境を作っていることが多いです。家庭教育の中でもそういった環境を作っていくことは大切にしたいですね。

子供の意見を受け入れる

子供の意見を受け入れるとは,子供のありのままの意見をうなずいて聞いたり,おうむ返しで話を聞いたりすることです。

教育評論家の親野智加等氏は,このように話します。

まずは受け入れなければ,子供が自分自身を肯定することができなく,頑張ることができないということはわたしも勤務校の学校生活アンケートを見て感じていました。中学生であっても,まずは「そうなんだ!」「〇〇ということなんだね」と聞くことは大切と職員間でも共有されています。家庭教育でも,学校同様の環境を作っていくことができると子供がどんどん成長していきます。

子供の提案に対して否定から入らない

子供が「〇〇したいな」といってきた時,大人は先走って「(こんなリスクもあるから…)え〜こっち一緒にやってみない?」などと,子供の提案に対して思考してから反応することがあると思います。施工すること自体は問題ありませんが,「え〜」という一言,そして「こっち一緒にやってみない?」という発言が問題なのです。

否定から入る親の場合,その口癖が子供にもうつってしまいます。”親の心のくせからくる言葉が子供の性格の土台に大きな影響がある” と一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏はいいます。

親の口癖が「え〜」から始まるような否定から入る場合,子供も相手からの意見に対して常に否定的になってしまいます。誰かと関わっていく時,自分が話したことに対して,肯定的に反応してほしいか,否定的に反応してほしいか,どちらがより気持ちの良い関係を築けるかはいうまでもありませんね。

発達障害を受け入れ育て方の多様性を認める

保護者の方の中で発達障害に関しての理解をなかなか得られないということが多いと感じています。「うちの子はちがう!」と頑なに拒否をしていますが,集団での生活において人によって発達は異なり,その子にあった指導をするためには自分の子供の発達に関しての理解が必要です。さらに,発達にあった指導を受けることができた方が,よりよい発達につながると考えられおり,現行の学習指導要領にも ”個に応じた指導” の拡充が求められています

学校から発達に関しての意見を伝えることはなかなか難しいことが多いです。保護者によっては「学校がうちの子を発達障害だといってきた」とクレームを入れる場合があるからです。わたしも1児の保護者として,自分の子供が発達障害であることを受け入れることができないという気持ちはわかります。しかし,拒絶をしている限りその子は成長の機会を失っているのです。学校現場にいる先生は毎年たくさんの子供を見てきています。経験則ではありますが,その中で気になるということを言われた場合にはしっかりと我が子のためにもじっくりと考えた方が良いのです。

現在学級の6.5%は発達障害の可能性があるとも言われています。つまり,発達障害は特別なものではなく,ある種当たり前にもなりつつあるということです。その子の特性をどう伸ばすのかを考え,早期から対応していくことで,その子の持っている能力を最大限発揮できる環境を作るのことができるのは,保護者の方だけです。そのことをまず受け入れることからです。

あるのすけ
あるのすけ

実際に ”グレーゾーン” と言われるような児童生徒はいます。人間関係を築くことが著しく苦手であったり,勉強に全くついていけない,音声を聞き取れないなどたくさんの特性を持った児童生徒が同じ学級にいます。

まとめ

教員から提案する家庭教育のあり方として,

  • 子供の話をしっかり聞く
  • 子供の意見を受け入れる
  • 子供の提案に対して否定から入らない
  • 発達障害を受け入れ育て方の多様性を認める

これらのことをまずは家庭でも学校でも大切にしていくことができれば,よりよく成長していってくれる環境を作ることができるはずです。

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