今年度当初からGIGAスクール構想のため、本校でも1人1台のタブレットが支給されました。そして、そのタブレットを活用して授業を行ったりしていきました。タブレット上で意見を集約したり、レポートを書いたり、お互いに意見を出し合う場としたり、オフラインのみで授業を行っていたときに比べ、随分と授業がしやすくなったと思います。
しかし、このタブレットを用いた学習に関しては、急速な変化で合ったため、現場の教員の中でスキル面やモラル面で大きな格差を生んでいる場合があります。特に、アナログであれば、”そこに直接あるもの” に対して、デジタルでは “そこに直接ないもの” を、取り扱っていますから、今まで紙で管理していた人が、急にデータのみでの管理となったときに対応できない人がいます。
また、オンライン学習が当たり前になりつつある現在、オフラインとオンラインを並列して行うために、タブレットを用いてオンライン配信も行うことがあります。すると、教室にはネットに繋がった教師用のタブレットなどの機器がありますから、その取り扱いには注意が必要になってきます。
そこで発生することは、情報に対しての危機管理の差です。今回はそんな教員が学校業務の中でタブレットを活用して生徒から情報を得たり、発信したりする立場として、身につけておきたい情報モラルに関して紹介していきます。
日常に情報漏洩のリスクが多いことを知る
学校生活の中での一例
⑴ 各授業内で集めた子供達の個人に関わる情報
⑵ クラウド上の情報を特定の教師または生徒に共有する
⑶ 学校生活アンケートなどをデジタルで行った時の個人情報
⑷ オンライン配信のタブレットを教室に置きっぱなし
⑴⑵について、紙で情報共有が行われていたときに比べ、圧倒的に情報漏洩のリスクは増えます。さらに、拡散のしやすさも圧倒的にデジタルの方が早いです。さらに、紙の場合共有したい教師や生徒の人数分のみを印刷していましたが、クラウドなどを用いてデータの共有をする際にはクリック一つでそこにアクセスできる人全員に一瞬で共有されてしまいます。
⑶について、Google Formなどのデジタルアンケートを用いることで容易にアンケートの実施、集計などができるようになりました。デジタルデータは紙と違い、手元にはないようなものですから、誤ってどこかに貼り付けてしまうことや、違う人に共有してしまうなど、人的なミスにより情報が出やすい場合があります。
⑷について、Google MeetやZoomを用いてオンライン配信が行われています。コロナ禍ということもあり、家庭での学習を希望している児童生徒も多くいます。そんなオンライン授業ですが、オフラインと並列して行うこともあります。その際、学級にはオンライン配信用のタブレットやPCなどがあります。そういった機器を教室に置きっぱなしにして、子供たちがいつでも触れる状況にはなっていないでしょうか。教師よりもデジタルネイティブな子が多いですから、簡単に情報を抜き取られてしまいます。
対策の方法
共有などは丁寧な確認を怠らない
情報漏洩のほとんどは、人的ミスで起こると言われています。例えば、情報の共有を行う場合、慣れてくると確認を丁寧に行わなくなってしまい、誤操作が発生してしまいます。今一度、自分が扱っている情報の重大さを意識し、丁寧に扱っていく必要があります。
オンライン配信に関わる機器の取り扱い方を決める
学校単位でオンライン配信のための機器の取り扱いの注意点などをまとめた規定などはあるでしょうか。ほとんどの学校ではどのような規定はないと思います。規定はなくとも、全ての教師の間で共通認識を持つことは必須です。例えば、教室から席を外すときにはタブレットなどを一緒に持っていく。教員ごとに異なるパスワードを用い、毎月変更するなどです。徹底してタブレットなどの管理を教師の目が届くようにすることが大切です。
生徒たちが教師用のタブレットのパスワードをしっていて驚きました。
どこで漏洩するかはわからないので、十分管理には注意が必要です。
不用意に情報の共有をしない
デジタルデータに関しては、あえて共有をしないで自分のところだけで持っておくという選択肢を取ることも必要です。共有されたものの情報の取り扱いは、人によっては雑な場合もあります。だからこそ、必要最低限のデータのみを共有することで、人的ミスをそもそも減らすということも考えておくと良いでしょう。
まとめ
日常生活の中で、生徒の情報が入ったタブレットを教師自身も持ち運ぶからこそ、その取り扱いには十分に注意する必要があります。漏洩してからでは、取り返しがつかないですから。今まではUSBメモリなどを落とすことで情報漏洩が起こっていたことが、今後は共有などによって情報漏洩が起こり得るということを知らなければなりません。
例えば、タブレット内のデータを Google Drive にあげてある場合、容易に教師にも生徒にも情報を共有することができます。だからこそ、共有の際には十分注意を払いながら、共有しなければなりません。「やり方がわからなかった」や「押し間違えた」では済まされない事案が発生してしまう可能性があります。
教師も得意不得意があります。デジタルに慣れている人とそうでない人がいます。どちらが良いというわけではありませんが、今の世の流れとしてはデジタルを推進しています。働き方を変えていくためには必須のツールであることは間違い無いでしょう。だからこそ、教員の情報モラルは最低限必要になるのです。情報機器に関する知識をアップデートしていきましょう。
では!
コメント