学級目標の決め方

学級経営

学級目標は、1年間の学級の方向性を決める大切な目標です。
「学級目標なんていらない!」と言う人も、1年間をどのように経営していくべきなのか、どこでどのような指導をしていくと良いのかは考えるはずです。
表立って学級目標について言わなくとも、担任として学級経営をしていくために考えておくことが、1年間やり抜くためには必要だと考えます。

あるのすけ
あるのすけ

学級の未来のことを考えるワクワクした時間にしていきたいですね!

今回のポイントは、

  • 生徒に1年後の自分の姿をイメージさせる
  • 達成状況を客観的に見れる目標にする

中学校の学級目標の決め方

学級目標の決め方は、生徒の言葉でつくることが大切です。なぜなら、学級目標は、生徒が自分たちの目的のために達成すべき目標であるからです。自分たちで納得しながら、全員の合意を持って目標を決めていけると学級としてありたい姿を目指していくことができます。

そのためには、学級目標を決める前に、自分たちがどうなりたいのかを具体的にイメージさせる必要があります。例えば ”最高な学級” といっても1人1人最高な学級の捉えている方向性が違っていては意味がありません。1人1人が全く同じ捉えである必要はありませんが、同じ方向を向き、今の自分たちがあるべき姿を考え、みんなでその姿をつくっていこうとする雰囲気は大事です。そのために自分たちがどうなりたいのかをイメージさせます。

授業の流れ

第1時間目(1年後の自分達の姿を具体的にイメージ)

まず初めに「学級目標を立てましょう」といきなり言われたところで、人間関係もなかなかできていない状況で全員が納得する目標なんて立てることはできません。ですので、まず、自分の学級が1年後どうなっていたいのかをイメージするところから始めます。
ブレーンストーミングなどを活用して、『あなたが1年後にこの学級でよかったと思える学級にするために大切なことは何か』について考えます。

中学生にもなると ”みんな仲良く” や ”絆を大切に” などの言葉はあまり出てきません。学級の中でも好き嫌いはありますし、それを抑えてまで仲良くした先に何があるかと言われても何もありません。だからこそ、自分にとって学級がどうあるといいのか、どうあれば安心して生活できるのかを共有しておく必要があります。ここが1年後の自分達のなりたい姿になってきます。

授業の流れは以下のようです。

① ブレーンストーミングのルール確認
② 個人活動(付箋にキーワードを1つずつ書く)
③ 班で意見を出し合う(1つのホワイトボードに意見を書いた付箋を貼っていく)
④ これいいな!と思った意見を1人3つずつ選ぶ(付箋の隣に正でカウント)
⑤ 班でこれいいな!で票をたくさん獲得した意見を学級で共有(黒板に意見を書き出す)

この時間のルールが一つだけあります。それはネガティブな言葉で書かないことです。
例えば、”いじめがない” 、”嫌なことを言わない” などです。その言葉をポジティブな言葉で表現することをルールとします。すると、”個性を大切にできる”、”よさを発揮できる” などポジティブな言葉が溢れ、交流する場面で「それいいね!」「わたしもそう思う」と良い雰囲気で話し合いを行うことができます

第2時間目(理想の姿を達成するために必要なこと=目標)

1時間目で1年後の自分達のなりたい姿を確認しました。学級で意見を共有することで大まかな方向性が決まってきます。そしてこの2時間目には、その方向性をもとにどうしたら目的を達成することができるのか、どんなことを大切にしていくと良いのかを確認していきます。これが目標となっていく部分です。

授業の流れは以下のようです。

① 1時間目の板書を配布し、方向性を確認
② 個人活動(具体的にどんな活動をしていくとよいか)
③ 学級で意見交流
④ 目標にいれるべきキーワードは何か確認

中学校の活動といえば、学習に関すること・学級での生活に関すること・行事に関することの3つに分類することがきでます。学習面では主に授業の受け方などで、学級での生活に関することは係の役割や班の役割など、行事に関することでは体育祭や合唱コンクールなどです。それぞれの活動に対して、自分が大切にしていきたいことを箇条書きで書いていくことで、より具体的にどうしていくことで学級のなりたい姿に迫っていけるのか理解することができます。

そして各場面での大切にしていきたいことから、目標にいれるとよいキーワードをあげていきます。
ここでは、班で考えていき、各場面で大切にしたいことに関わって抽象化したキーワードを出していき全体交流します。

次に、各班ででた意見を板書し「このキーワードとこのキーワードは関連している」というものを挙げていき、でた意見を繋いでいきます。黒板でキーワードをつなげることでどのキーワードが大切なのかを可視化していきます。

最後に、どのキーワードを目標に入れるべきかを1人2つずつ選び、票が多く入ったキーワードに丸をつけておきます。

第3時間目(集団の思いを目標にまとめる→個人の目標へ)

第2時間目でキーワードが抽出できたので、そのキーワードを用いて学級目標を班ごとに作成します。同じキーワードを用いているのでおおよそ同じような目標になります。そしてその中から学級目標を決定します。

学級目標はあくまで学級のなりたい姿になるための目的を果たすものですから、最後に個人としてその目標を達成するためにどんなことを大切にしていくのかを考える必要があります

授業の流れは以下のようです。

① キーワードから学級目標案を班ごとにつくる
② 学級目標を決定
③ 学級目標達成のために自分がすることを確認

学級目標をつくる上での注意点

学級目標を立てる目的を明確にする

学級目標を立てる目的はなりたい自分・学級の姿に迫るためです。あくまで目標ですので、目的にしてはいけません。目的のない学級目標であれば、学級目標を立てる意味はなくなります。その場合は学級目標を無理に作る必要はありません。例えば、1年後のなりたい姿が具体的にイメージでいなかった時などです。無理に学級目標を立て、形骸化してしまうこともあります。それは一番避けたいです。

短く端的な目標にする

よく長い学級目標にしたり、副題をつけるなどの目標を見かけます。その学級目標は学級の全ての生徒が話せますか?そしてなんのための目標なのか語ることはできますか?それができていない長い学級目標はただの飾りです。端的で常に生徒が思い出すことができる目標でなければ、目標としての価値はありません。
より細かい目標を立てたいのであれば、小目標として後でつくっていけば良いのです。大枠である学級目標から全てを詰め込もうとする考えを持っていると、長く、形だけの学級目標になってしまいます。

達成状況が明確な目標にする

”みんなと仲良く” などのキーワードが入っている場合、どのように達成したと判断するのでしょうか。数値化しにくいようなものや、客観的に見れないものが目標となっていると達成したか振り返る場面で大変苦労します。学級がうまくいっていない時などに学級目標を決めた時に立ち返り、学級として今後どうしていくかを話し合うことがありますが、ぼやっとした目標の場合、その話し合いもぼやっとした内容となり、なんとなくこうした方がいいなで終わってしまいます。そして話し合いすら形骸化してしまうことも。だからこそ、学級目標は振り返る時に達成状況が把握できるようなものである必要があります。

仮に学級目標では難しいという場合であれば、学級目標に準拠した班ごとの目標や各場面ごと(学習・生活・行事など)の小目標を立てておくと良いです。

最後に

学級目標をつくる上でのポイントをもう一度確認します。

  • 生徒に1年後の自分の姿をイメージさせる
  • 達成状況を客観的に見れる目標にする

あるのすけ
あるのすけ

クラスで一番初めに取り組むであろう学級目標決め。
みんなで理想を出し合う素敵な機会です。ワクワクしながら目標を決めていけると素敵な1年間をつくっていくことができますよ!

では!!

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